Web評論誌『コーラ』38号のご案内
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- 連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
第52章 夢/パースペクティヴ/時間(その3)
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第53章 夢/パースペクティヴ/時間(その4)
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中原紀生
小西甚一氏が論じた「反射視点」は、次の三つの次元において、これをとら
えることができます。
第一、『安宅』の「勧進帳の有無なんか、とても意識している余裕が無い」
弁慶や、『隅田川』の「悲痛さが全心身に充ち満ちている」母のような「作中
人物の現実」、すなわち身心の状況にかかわる次元。
第二、シテが「当人の動作や状態をいちおう地謡の視点に移し、地謡という
鏡に映った自分を謡う」と規定される、歌ないし語りの次元。
第三、「自分自身から脱け出して、三人称の世界に位置をしめ」るシテの意
識、あるいは「自分の心を観客の立場へ移し、その立場からさらに自分の演技
をながめる」演者の心といった、語り手=見られる者と聞き手=見る者との主
体間の関係性の次元、より一般的には、私のパースペクティヴと他者のパース
ペクティヴが交換される次元。
演劇としての能に着目すれば、次のように表現することができるでしょう。
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- 連載〈心霊現象の解釈学〉第16回●
幽霊の理論──江戸編
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広坂朋信
(7月某日)なかなか寝付けず、やっと眠りについてうとうとしていたら、
深夜、老母からの電話にたたき起こされる。玄関のドアをドンドンとたたく音
がしたので起きて行ってみたが誰もいないのだという。お父さんが帰ってきた
と言うのを、団地なので誰かが部屋を間違えたのでしょとなだめて電話を切
り、時計を見ると午前2時半、既に日付はかわって亡き父の命日であった。あ
の日、病院から知らせが来たのは午前4時前だったが、おそらくこの時間には
すでに息をひきとっていたのだろう。
ところで、こんな話がある。
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- 連載「新・玩物草紙」●
競馬妄想辞典/世界の陰画
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寺田 操
「自分の書くものについては競馬の話からはじめないと決めていた」と、乗峯
栄一『競馬妄想事典』あおぞら書房/2018・6・26)――には、やはり
ね、と納得させられた。「競馬以外から話をはじめる」を「あなたのコラムは
これでいいんです」と懐の広いところをみせてくれた編集長との出会いは、
「乗峯栄一スタイル」を実行・貫徹できるチャンスとなったことを考えれば、
書き手としてのポリシーは大切にしないといけないことの教訓だ。
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