2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

日本近代文学と数学、横光利一『旅愁』のことなど

村上春樹の『1Q84』で興味を覚えたことの一つに、偶数章の主人公・天吾は予備校の数学講師で幼少の頃は数学の神童だった、という設定がある。 村上文学は生物学、生命科学と相性がいい。なんとなくそう感じていた。(初期の「鼠三部作」の主人公はたしか…

『1Q84』の四項関係のことなど

『1Q84』(村上春樹)と『ベンヤミンと精神分析──ボードレ−ルからラカンへ』(三原弟平)が同じ発行日付をもっていて、だからというわけではないが、この二つの書物はまるで双子のように一方が一方を照らし出していた。 前回そこまで書いておきながら、…