2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
入不二基義著『哲学の誤読──入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)。著者自身があとがきで言うように、これはかなりユニークな本だ。 大学入試の国語の問題に使われた四人の哲学者(野矢茂樹、永井均、中島義道、大森荘蔵)の文章を徹底的に読み解き、かつ…
山口謠司著『日本語の奇跡──〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明』(新潮新書)を読んだ。 日本という国の歴史そのものでもある日本語の変遷の過程を、コンパクトな新書に収めきるのはどだい無理な話だ。「書き足りない」と著者はあとがきに書いているが、それ…
この言葉は、毎日新聞の今年最初の「今週の本棚」で、第6回毎日書評賞を受けた『鶴見俊輔書評集成 全3巻』について書かれた丸谷才一さんの文章に出てくる。 書評の名手はたくさんいるが、一冊の本として見ると、途中で退屈する。その点、鶴見さんの書評集…