2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「表現」としての近代日本思想史──安藤礼二『場所と産霊』

安藤礼二著『場所と産霊 近代日本思想史』(講談社、2010年7月)読了。 素晴らしい。実に、素晴らしい。 一昨年、『光の曼荼羅 日本文学論』に接して驚愕し、『神々の闘争 折口信夫論』を読み返しては驚嘆し、さらに雑誌掲載の「霊獣」を耽読して驚倒し、『…

存在の感じ方、男と女がどのように感じあえるか

昨日の話題、恋愛や性愛をめぐる哲学の書をめぐって。 松岡正剛さんが、千夜千冊の第九百十六夜で、ハイデガーの『存在と時間』という「とてつもなく難解な哲学書を柔らかく」するために、「女の話」をもちだしている。 「およそ世界に存在しないものなんて…

音楽をつくりあげること──『哲人たちはいかにして色欲と闘ってきた

サイモン・ブラックバーン著『哲人たちはいかにして色欲と闘ってきたのか』(屋代通子訳、築地書館、2011年7月)読了。 「本書は、ニューヨーク公共図書館とオックスフォード大学出版局によるキリスト教「7つの大罪」についての講演企画のうち、『色欲』の…

腐敗しているのは誰なのか──真山仁『コラプティオ』

真山仁著『コラプティオ』(文藝春秋、2011年7月)読了。 質の高い政治小説を読みたいと思っていた。 海堂尊著『ナニワ・モンスター』が期待ハズレ(予告篇としてはそれなりによく出来ていたと思うけれど、本当に読みたいのは本篇)だったので、あまり気を…