2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『誰にもわからない短歌入門』─永井均が語ったこと(その5)

その2. 永井均さんのツイッターの記事(2016年9月18日、9月19日)。 ………………………… ゼミ合宿中に学生の一人に『誰にも分からない短歌入門』をもらったので(といってもお金を払ったから買ったともいえるが)読んでいる。「誰にも分からない」という触れ込みに…

永井均の「鳴き声」─永井均が語ったこと(その4)

短歌(和歌)と永井均の哲学をめぐって。 その1. 『哲学の賑やかな呟き』に「吉本隆明について 2011.4.27」という文章が収録されている。 永井均さんはそこで、『言語にとって美とはなにか』や『最後の親鸞』や『源実朝』の読書歴を披露し、「私は文芸理論…

空っぽの器─永井均が語ったこと(その3)

永井均の第一アリアを聴きながら、私はたまたま同時並行的に読み進めていた書物のことを思った。 その書物とは安藤礼二編『折口信夫文芸論集』。そこに収められた「俳句と近代詩」のなかで折口信夫は、短歌(和歌)は「無内容」だと語っている。 《たとえば…

空っぽのアリア─永井均が語ったこと(その2)

鼎談で、永井均さんは何度か、請われて「永井哲学」のエッセンスを語る。歌うように語る。 その最初の「アリア」で、無心というときの「心」(=実存)とマインドフルネスの「マインド」(=本質)の違いを語っている(第一章、32-40頁)。 無心、無我という…

『〈仏教3.0〉を哲学する』で永井均が語ったこと(その1)

期せずして本書は「永井哲学」の入門書としても役立つものになっている。永井均さんは『〈仏教3.0〉を哲学する』の「鼎談の後に(二)」でそう書いている。 永井均が「永井哲学」を自称するのは、かなり珍しいことなのではないかと思う。 『〈私〉のメタフ…