2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『1Q84』と大長編ドラえもん

昨日、村上春樹の『1Q84』と三原弟平著『ベンヤミンと精神分析──ボードレ−ルからラカンへ』をほぼ同時に読み終えた。 『1Q84』は、途中から「これは大長編ドラえもんの世界じゃないか」という思いがつきまとい始め、それはとうとう最後まで離れなか…

なぜ難解な本を読むのか

なぜ難解な本を読むのか。「そこに難解な本があるから」というのは、それはそれで一つの答えになる。 私の場合、未読の哲学系難解本が書棚に山のように「寝かせ」られていて、それらの書物が一斉に「いつ読んでくれるのか」と日々恨めしげに背表紙で訴えかけ…

ルーマンとラカン─壊滅的かつ超絶的に難解

ルーマンがいうオートポイエーシス的社会システムの要素は「コミュニケーション」であって、「行為」や「人間」や「意識」ではない。 このことをめぐって、もう少し書いておきたいことがある。 高田明典著『難解な本を読む技術』に、ラカンの「《盗まれた手…

人間やその意識は社会の要素ではない

佐々木慎吾氏の「ルーマン『社会システム』」という文章(『現代哲学の名著』)を読んで、もう一つ印象に残ったのは、ルーマンがいう社会システムの構成要素は「コミュニケーション」で、「行為」や「人間」や「意識」ではないと書かれていたことだ。 《では…

世界観にはそれを取り消すべき方法が組みこまれていなければならない

ニクラス・ルーマンを読みたくなった。 きっかけは、(前回書いたように)、『現代哲学の名著』に収められた文章(執筆者:佐々木慎吾)を読んだことにある。 そこで印象に残ったことの一つは、ルーマンの社会システム論が、生命システムに対して案出された…

ニクラス・ルーマン

冬弓舎のサイトから、酒井泰斗さんの日曜社会学のページへ飛んだ。どちらも久しぶりのアクセス。(その昔、酒井さんが主催するルーマンフォーラムというメーリングリストに参加していたことがあった。脱会した覚えはないのに、たぶんメールアドレスを変えた…