本が読めない

 ほぼ一月ちかく、宇田亮一さんの『吉本隆明 “心”から読み解く思想』を読んでいる。
 フレミングの法則を下敷きにして、吉本三部作の鍵概念、現生的疎外・純粋疎外、共同幻想・対幻想・個人幻想、指示表出・自己表出(体壁表出・内臓表出)を、まるで工具がなにかのようにフィールド上に並べていく。その理科系的な手捌きにわくわくする。
 それにしても最近は本を買うばかりで、いっこうに読めない。読んではいるのだが、最後まで一気に読み切ることが出来ない。
 宇田本の分量だったら、「全盛期」ならたぶん1、2時間で読了して、2、3日もすれば抜き書きつきの感想文が書けていたはず。なのに、ほぼ一月ちかく経っても半分しか進んでいない。
 とにかく集中して長時間本が読めない。(ほぼ同時平行的に読み進めている『スクールボーイ閣下』も、いまだに上巻が終わらない。)