『神と哲学』

古書店でエチエンヌ・ジルソンの『神と哲学』を発見。
ジルソンの本は一度は読んでおきたかった。
序文に「天才とはこういう人をいうのであろうか、かれの講義を聞くとそれだけ自分の頭が作り変えられるような気がした」と讃えられているのはベルクソンである。
ジルソンは「ベルグソンによって聖トマス・アクィナスの哲学的方法に導かれた者は、いまだかつてだれもいない」と書いている。
ということは、ジルソンこそベルクソンによってトマス・アクィナスの哲学的方法に導かれた最初の人だということなのだろうか。
訳文を読むだけではよく判らないが、そう解する方が面白い。
實川幹朗さんの『思想史のなかの臨床心理学』にトマス・アクィナスベルクソンをつなぐ記述がある(72-3頁,233頁)。
それはともかく、トマス・アクィナスの研究を通じてジルソンは「デカルト形而上学の諸帰結は聖トマス・アクィナス形而上学との関係においてのみ意味をなすこと」に気づいた。
話が佳境に入っていく。