『神の沈黙』その他

棚卸しや在庫整理が遅々として進まないのに、また大部の本を買ってしまった。
ジュリアン・ジェインズ『神の沈黙──意識の誕生と文明の興亡』。
意識は生物学的進化によって生まれたのではない。それは言語に基づいている。
意識は幻聴(右脳がささやく神々の声を左脳が聴く)に基づく「二分心」(bicamerai mind =直訳すれば「二院制の心」)の精神構造の衰弱とともに、ほぼ三千年前に誕生した。
この仮説は、古代ギリシャ哲学が「神の死」(ギリシャ神話は神の殺害のおとぎ話である)の後の精神状況(死んだ神にかわる新しい至高性の希求)から生まれたとする古東哲明の議論とつながる。
現代思想としてのギリシア哲学』と同時進行的に読み始めた大森荘蔵の『知の構築とその呪縛』に出てくる「略画的世界観」から「密画的世界観」への転換の議論とも響きあっている。
大森荘蔵に決定的に欠けている(『呪縛』前半を読んだかぎりでの印象)超越的なものとのかかわりで、中沢新一カイエ・ソバージュ・シリーズにもつながっている。
木田元経由のハイデガー哲学(フィシスについて)にも通じている。
あわせて星野之宣『神南火──忌部神奈・女の神話シリーズ』と三上のぼる『ファウストの女神1』(嶋本周原作)の二冊の漫画を買った。
これはその日のうちに読み終えた。
仁義なき戦い 代理戦争』を観て寝た。