『現代小説のレッスン』

石川忠司さんの『現代小説のレッスン』を買った。
純文学の「エンタテインメント化」というアイデアが面白い。
この人の文章は保坂和志『残響』の文庫解説と『孔子の哲学』と小林秀雄論を読んだくらいだが、印象に残っている。
文学の嗜好に近いものを感じる。
たとえば本書で藤沢周平を「W村上に匹敵する現代日本文学の宝」(125頁)と評している。
このセンスがいい。
小林秀雄論での隆慶一郎の取り上げ方もよかった。
隆慶一郎小林秀雄の「弟子」だったことを確認するためネットで検索していて、松岡正剛さんが「千夜千冊」の第百六十九夜で隆慶一郎の『吉原御免状』を取り上げていることを知った。
『Wの悲劇』を観た。ほぼ二十年ぶりに観た。傑作。