『考える人』

季刊誌『考える人』2005年夏号を買った。「「心と脳」をおさらいする」。
茂木健一郎 ケンブリッジ、オックスフォード巡礼」と題してホラス・バーローやニコラス・ハンフリーやロジャー・ペンローズといったビッグネームたちとのインタビュー記事が載っている。
ペンローズいわく、「意識は、古典的なレベルと、量子力学的なレベルが共存するからこそ、生まれてくると私は考えるのです。量子力学的なレベルの古典的レベルへの『染み出し』が、意識なのではないでしょうか。」(58頁)。

意識ある主体が観測することで波動関数の収縮が起こるわけではないと思います。むしろ、話は逆で、波動関数自然法則に従って収縮する過程で、意識が生み出されると考えられます。私たちの意識は、客観的なプロセスとしての波動関数の収縮をうまく利用してゼロから生まれて来るものなのです! 意識はいわば自然法則の結果であり、原因ではないのです。私の言っていることは、いわば『汎心論』のよな立場だということができるかもしれません。しかし、同時に、私は不用意に意識の存在を物理学の説明原理として導入することには反対です。まずは、あくまでも物理的過程として様々なことを説明すべきだと考えるのです。(59頁)