『風の旅人』『陰陽師13太陽』

ユーラシア旅行社というところから出ている『風の旅人』15号(2005年8月1日)を買った。
前々から気になっていた雑誌。なによりも写真が素晴らしい。執筆陣もけっこういい。
近所の本屋に一冊だけ置いてあるのをみつけて買ったのだが、これは1号前の分で、いまはVol.16がでている。
三宮のジュンク堂にバックナンバーが揃っていた。読んで気に入ったら順次買い求めていこう。
佐伯剛編集長の「風の旅人は、心の旅に誘います」という文章をみつけたのでペーストしておく。


《前略、お忙しいなか、失礼致します。
 昨年2003年の春、弊社は、『風の旅人』というグラフィック・マガジンを創刊致しました。2ヶ月に一度の発行で、この度第16号が2005年10月1日以降、全国の書店で発売されます。
 『風の旅人』は、これまでの日本にはない地球規模の大自然や人間のドラマを取り上げる“心の旅の雑誌”です。毎号、桁違いの映像美と言葉の共演によって、世界との新しい関わり方を提示していきます。
 情報が溢れ複雑怪奇に見える時代に、ヒトが生きることの原点にたち返りたいというのが、創刊の動機であり、編集の核です。
 目の前を流れていく光景をただ何となく見てやり過ごすという、テレビ風の受け身の情報文化に慣らされた時代に、思いを籠めて対象を見つめ、しっかりと向きあっていく、能動的な媒体にしようと考えています。
 単に時代の気分を匂わせるものではなく、何かの役に立つかどうかでもなく、未来につながっていく何かを、一人称できっちりと伝えていきたいのです。
 日頃、ご多忙のことと思いますが、『風の旅人』で、しばし現実の向こう側に旅立っていただければ幸いです。》


     ※
岡野玲子陰陽師13 太陽』読了。読み終えて言葉を失う。
「あとがき」に綴られた文章を読むにつけ、岡野玲子はとりかえしのつかない時空の彼方にとんでいってしまった。
この作品は白い光と化した音楽をかたどっている。
『music for 陰陽師』(ビクターエンタテインメント)の「覚書」に記された著者の言葉を引用しておく。
(このCDには、『陰陽師』完結のあかつきにこそ聴かれるべき祝祭曲がたちこめている。)


《真の音楽とは、高等魔術である。そしてそれは、弾け散るような白い光の姿をしている。このCDに関わっていた一年の間、地球上に生まれたがゆえに、ダークサイドではあるが、誇り高い怨霊も、存在する。勝利の曲は勝利の喜びを知るものの手で作られ、勝利の喜びを知るものの手によって奏される。そんな言葉が頭の中を流れた。陰の極みと陽の極み両極に共通してあるものは、美と誇りと、存在することの祝福と、喜びである。雅楽の真髄は、強靱である。》