狩野永徳の屏風絵

 先の土曜日(27日)、京都国立博物館狩野永徳展に出かけた。
 会場に入るのに40分並び、洛中洛外図屏風を歩きながら見るのにも行列ができていたのでこれはパスして遠くで眺め、最後の部屋でゆっくり間近で唐獅子図屏風と対面した。織田信長像と檜図屏風が強く印象に残った。
 会場出口の看板に、長谷川等伯展の2010年開催が予告されていた。
 その日の夜のTV番組「美の巨人たち」が永徳の唐獅子図屏風を取り上げていた。
 高さ2.2メートル、幅4.5メートルもの巨大な屏風がなぜ必要だったのか。
 答えは、これは本来屏風絵ではなかった。天下人秀吉の威光を示す壁絵として描かれたのを切りつめて屏風に貼ったものだったというもの。


 いま、紀貫之周辺の本をいろいろ漁っていて、屏風歌というものにいたく興味を持ち始めている。
 永徳の屏風絵にはどのような歌がふさわしいのだろうか。等伯の屏風絵に書き込まれた歌を想像できるだろうか。そんなことを漠然と考えている。
 屏風歌はフィギュールである。そもそも屏風絵がフィギュールである。そんなことも考え始めている。