世界文学リスト[Ver.1]
読んだ本のことだけではなくて、買った本、借りた本、読みかけの本、読まずにすませた本、等々のこともたまには書いてみることにした。
☆ウラジミール・ナボコフ『ナボコフの文学講義』上・下(野島秀勝訳,河出文庫)
ブランショの『来るべき書物』を読みながら、いかに近現代の西欧文学から遠ざかっていたかを思い知らされた。いや、思い知らされた、というのは間違った言い方で、『来るべき書物』に刺激されて西欧の現代小説を切実に読みたくなり、さかのぼって西欧の近代小説を、ひいては世界文学を系統的かつ集中的に読みたくなった、というのが実情。
あたるをさいわい、やみくもに、四方八方読み散らかすだけの体力も気力も時間も残されていないので、間違った道に踏み入らぬよう、「小説読みの達人」と評される先達に師事し、まずは自分なりの読書(計画)リストをつくってみることにした。
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リスト作成の基礎作業として、モーム《a》と篠田一士《b》の十大小説、「海外の長編小説ベスト100」(『考える人』2008年春号)のうちのトップ10《c》、それに、池澤夏樹が『世界文学を読みほどく──スタンダールからピンチョンまで』でとりあげた10冊《d》、『東京大学で世界文学を学ぶ』の著者・辻原登が(『考える人の』アンケートに答えて)選んだベスト10作品《e》の計50冊、これにナボコフが『講義』でとりあつかっている7冊《f》を加えた合計57冊(重複があるので、実数としては28作家の39作品)のリストを作ってみた。
うち読了したものは3分の1程度。いま現在「休止」中のもの(プルースト、ジョイス、島崎藤村ほか)を含めても半分に満たない。今後このリストに磨きをかけ、さらに、現代西欧作家、非西欧、日本の作家、古今東西の古典、詩歌・演劇・紀行・ノンフィクション・歴史・神話・思想批評なども加えて、100冊、150冊、200冊、等々のきりのいい数に仕上げていくつもり。もちろんリストにそって、計画的に(10年くらいかけて)読破していくつもり。
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー《a》《c》《d》
『罪と罰』ドストエフスキー《c》
『悪霊』ドストエフスキー《c》
『死の家の記録』ドストエフスキー《e》
『アンナ・カレーニナ』トルストイ《c》《d》《e》
『戦争と平和』トルストイ《a》《e》
『白鯨』メルヴィル《a》《c》《d》
『百年の孤独』ガルシア=マルケス《b》《c》《d》
『ユリシーズ』ジョイス《b》《d》《f》
『失われた時を求めて』プルースト《b》《c》
『スワンの家のほうへ』プルースト《f》
『赤と黒』スタンダール《a》《e》
『パルムの僧院』スタンダール《d》《e》
『城』カフカ《b》《c》
『審判』カフカ《c》
「変身」カフカ《f》
『ボヴァリー夫人』フロベール《a》《f》
『感情教育』フロベール《e》
『アブサロム、アブサロム!』フォークナー《b》《d》
『高慢と偏見』オースティン《a》
『マンスフィールド荘園』オースティン《f》
『デイヴィッド・コパフィールド』ディッケンズ《a》
『荒涼館』ディッケンズ《f》
『宝島』スティーヴンスン《e》
「ジギル博士とハイド氏の不思議な事件」スティーヴンスン《f》
『トム・ジョーンズ』フィールディング《a》
『ゴリオ爺さん』バルザック《a》
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ《a》
『伝奇集』ボルヘス《b》
『子夜』茅盾《b》
『U・S・A』ドス・パソス《b》
『特性のない男』ムジール《b》
『夜明け前』島崎藤村《b》
『ドン・キホーテ』セルバンテス《c》
『ハックルベリ・フィンの冒険』トウェイン《d》
『魔の山』トーマス・マン《d》
『競売ナンバー49の叫び』ピンチョン《d》
『紅楼夢』曹雪芹《e》
『インドへの道』フォースター《e》
『ある夫人の肖像』ヘンリー・ジェイムズ《e》