「今週の本棚」

今週もまた『物質と記憶』はお休み。
昼前に駅前の貧相なカフェで不味い珈琲を啜りながら、読みかけの書物の頁を繰っては、思いのままに思索(というほどのものではない)をめぐらせる。
滾々とわきでてくるアイデア(というほどのものでもない)をノートに書き留める。
そんな優雅な休日から遠ざかって久しい。
で、今日も仕事に出かけ、遅い昼食をむりやり流し込みながら、毎日新聞の「今週の本棚」を読んでいる。
この欄は、以前なら毎週かかさず熟読して、まだ見ぬ書物、遠からぬうちに読むべき書物、すでに読んだ書物、未来永劫読むことはない書物への想像をかきたて、評者の技と洞察と批評眼に賛嘆(もしくは警戒)していたものだが、そういう習慣からも遠ざかって久しい。
今日のレビューを読んで関心をもった本は、亀山郁夫著『大審問官スターリン』(沼野充義評)とジェレミー・リフキン著『ヨーロピアン・ドリーム』(森谷正規評)と伏木亨著『人間は脳で食べている』(小西聖子評)と…、と書き出していったらどんどん増えていく。
確実に買い求めることになりそうなのは、海部宣男氏が内井惣七著『空間の謎・時間の謎』と一緒にして書評を書いている『はじめての〈超ひも理論〉』(講談社現代新書)で、この本は図書館から借りて読みかけたことがあった。
現役の科学者とサイエンスライターが組んで作った本。
こういう趣向の本はもっとたくさん出してほしい。
(『謎』の方は、実はいま読んでいる。)
さて、仕事を再開するか。